講演会で発表してきました。
みなさんこんにちは。久しぶりの投稿となります。こんのクリニックの星野です。
今日は、先日、宇都宮のTochigi hypertension meetingという勉強会で講演させていただいた内容について、ご報告させていただきます。

学会での発表は、ディスカッションでパネリストとして参加しました。
演題は「高血圧の治療について」です。
★患者さんがどれくらい血圧を下げられているか
高血圧学会のガイドラインでは、高齢者や脳血管狭窄のある脳梗塞後の患者さんは、血圧を下げることによって、低血圧や腎不全などの副作用がおきる可能性があるために、以前は目標値を甘くしていました。しかし最近では、そのような患者さんでも、しっかり血圧を下げた方が、心不全などを起こしにくいと言われるようになりました。よって現在は、すべての患者さんに、血圧は診察室で130/70以下、家で125/75以下を目標にすべきとなっています。1)

しかし実際当院では、年齢の高い方は若い方と比較すると、やや控えめに下げています。
その理由は、高齢者の方は、低血圧や腎不全などが出現してしまうと、致命的な結果を招いてしまうことがあるからです。そのような事にならぬよう、100%安全な診療をしたいという気持ちが強いためです。
実際にヨーロッパの報告では、8,853人の高血圧の患者さんの中で、140/90 mmHg以下まで血圧を下げた人達は、血圧を下げられなかった人達より、死亡率が80歳以上では、1.4倍となりました。2)
日本でも、4418人を対象にした大規模臨床試験では、75歳以上例で140/90mmHg以下まで血圧を下げた人達は、心血管疾患および腎不全発症が多い傾向が認められました。よって、75歳以上の高齢者高血圧例では、まずは150mmHg未満を目標とした緩徐な降圧が望ましいと結論づけています。3)
ガイドラインでも、一律に血圧を130/70mmHg以下を目標に治療することをすすめている傍ら、患者さんのフレイルや要介護(患者さんの元気さ)に応じて、血圧コントロールの目標値を考えるよう言われています。

これまでガイドラインで細かく目標設定をされていましたが、甘い目標設定だと血圧を下げる努力をしなくなってしまう恐れがあるため、原則厳しく設定し、あとは現場で判断するような状況になっているのです。
なかなか実際の外来の中で、患者さんの元気さを詳しく知ることは難しいですが、短い診察時間の中でも、患者さんの様子を細かく知り、的確な判断ができるよう努力しております。
みなさま、診察の際は、些細なことでも遠慮なさらず、是非お話しいただけたらと思います。
では今日はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
1) 日本高血圧学会.高血圧管理・治療ガイドライン2025.ライフサイエンス出版.東京,2025.
2)Douros et al: Control of blood pressure and risk of mortality in a cohort of older adults: the Berlin Initiative Study. European Heart 40.2021.Journal.July 2019
3)JATOS Study Group The Japanese Trial to Asses Optional Systolic Blood Pressure in Elderly Hypertensive patients; protocol patients characterer and blood pressure during the first 12 months. Hypertens Res; 2005:28 513-20
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執筆医情報
こんのクリニック院長 星野剛
