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院長コラム

COLUMN

胃カメラが怖い方へ ―私が検査で大切にしていること―

2026年7月28日

「胃カメラを受けたほうがよいと言われたけれど、怖くて予約できない」

診察をしていると、このようなお話をよく伺います。

以前に胃カメラを受けて苦しかった経験がある方、周囲の人から「つらかった」と聞いた方、検査中に息ができなくなるのではないかと不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。

また、検査にどのくらい費用がかかるのか分からず、受診をためらっている方もいらっしゃると思います。

胃カメラに不安を感じるのは、決して特別なことではありません。今回は、当院の胃カメラの特徴と、私が検査を行う際に大切にしていることについてお話しします。

当院では鼻から入れる胃カメラを行っています

胃カメラは、食道、胃、十二指腸の入り口付近を直接観察する検査です。

当院では、鼻から細い内視鏡を入れる「経鼻内視鏡検査」を行っています。

口から入れる胃カメラと比べ、カメラが舌の付け根に触れにくいため、「オエッ」となる咽頭反射が起こりにくいことが特徴です。

ただし、鼻の中の広さや状態には個人差があります。鼻からの挿入が難しい場合などには、患者さんの状態を確認しながら対応を判断します。

胃カメラで分かること

胃カメラでは、主に次のような病気を調べることができます。

  • 逆流性食道炎
  • 食道炎、食道潰瘍
  • 胃炎
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • 胃ポリープ、十二指腸ポリープ
  • ピロリ菌感染が疑われる胃粘膜の変化
  • 食道がん、胃がん、十二指腸がん
  • 食道裂孔ヘルニア
  • 胃アニサキス症

血液検査やレントゲン検査だけでは、食道や胃の粘膜の細かな変化まで確認できないことがあります。

胃カメラは、胃の中を直接観察し、症状の原因や病気の有無を調べるための大切な検査です。

一番大切なのは、不安を置き去りにしないこと

胃カメラというと、検査時間の短さや医師の技術に目が向きがちです。

もちろん、丁寧かつスムーズに検査を行うことは重要です。しかし、私がまず大切にしているのは、患者さんが何を怖いと感じているのかを確認することです。

例えば、

「以前の胃カメラで強い吐き気があった」
「鼻からカメラを入れるのが怖い」
「検査中に息ができるか心配」
「病気が見つかるのが怖い」
「痛みに弱いので不安」

など、不安の内容は一人ひとり違います。

検査の進め方を事前に説明し、分からないことや心配なことを伺ったうえで、納得して検査を受けていただくことが大切だと考えています。

検査中も呼吸できます

「カメラが入っている間、息ができなくなるのではないか」と心配される方がいらっしゃいます。

カメラが通る食道と、空気が通る気管は別の場所にあります。そのため、検査中も普段どおり呼吸することができます。

緊張すると、肩や首に力が入り、呼吸が浅くなります。できるだけ体の力を抜き、ゆっくり呼吸することが、検査を楽に受けるためのポイントです。

検査中も必要に応じて声をかけながら進めます。つらいときや不安なときには、我慢せず合図をしてください。

急ぎすぎず、必要以上に時間をかけない

胃カメラは、単に早く終わればよい検査ではありません。

一方で、必要以上に長く時間をかけると、患者さんの負担が大きくなります。

食道や胃、十二指腸を丁寧に観察しながら、できるだけ負担を少なくすることが重要です。

安全性と観察の正確さを保ち、無理にカメラを進めることなく、一人ひとりの状態に合わせて検査を行うよう心がけています。

検査前に採血を行います

当院では、胃カメラを安全に行うため、検査前に採血を行っています。

採血では、患者さんの全身状態や感染症の有無などを確認します。

服用中の薬やこれまでにかかった病気によっては、追加の確認が必要になることがあります。特に、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方は、予約時または診察時に必ずお申し出ください。

薬は自己判断で中止せず、医師の指示に従ってください。

胃カメラの費用について

症状がある場合や、健康診断で異常を指摘され、医師が胃カメラを必要と判断した場合は、原則として健康保険が適用されます。

3割負担の方の場合、胃カメラで観察するだけであれば、検査そのものの費用はおおむね3,500円です。検査生検をすると7,400円ほどになります。

1割負担の方は、上記の3分の1程度、2割負担の方は3分の2程度が一つの目安です。

ただし、実際の費用は次のような条件によって変わります。

  • 健康保険の自己負担割合
  • 初診か再診か
  • 検査前に行う採血の内容
  • 検査中に組織を採取したか
  • ピロリ菌の検査を行ったか
  • 使用した薬剤
  • 追加の診察や検査が必要になったか

胃の粘膜に気になる部分が見つかった場合には、病気の有無を詳しく調べるため、組織の一部を採取する「生検」を行うことがあります。生検を行うかどうかは、実際に胃の中を観察して判断します。そのため、検査前に最終的な金額を確定することはできません。

費用が心配な方は、事前に受付または診察時にお問い合わせください。

※上記は保険診療で胃カメラを受ける場合の目安です。診療内容によって実際の自己負担額は異なります。

「異常がなかった」と確認することにも意味があります

胃カメラをためらう理由として、「悪い病気が見つかるのが怖い」と話される方もいます。

そのお気持ちもよく分かります。

しかし、症状があるのに原因が分からない状態が続くと、不安がさらに大きくなることがあります。

異常が見つかれば、必要な治療へつなげることができます。大きな異常がなければ、「深刻な病気は見つからなかった」と確認できることにも意味があります。

胃カメラは病気を見つけるためだけではなく、現在の胃の状態を知り、これからの治療や生活を考えるための検査でもあります。

胃カメラを検討したほうがよい症状

次のような症状や状況がある方は、一度ご相談ください。

  • 胃痛やみぞおちの痛みが続く
  • 胃もたれや吐き気がある
  • 胸やけや酸っぱいものが上がってくる
  • 食欲が落ちている
  • 理由なく体重が減ってきた
  • 食べ物が喉や胸につかえる
  • 黒っぽい便が出た
  • 貧血を指摘された
  • 健康診断で胃の異常を指摘された
  • ピロリ菌を指摘されたことがある
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
  • 胃がんや食道がんの家族歴がある

症状によっては、胃カメラ以外の検査や治療を先に行う場合もあります。

胃カメラが必要か分からない段階でも、まずは診察でご相談ください。

無理に検査を勧めることはありません

胃カメラに不安がある方に対して、理由を説明せずに検査を勧めることはありません。

症状、年齢、これまでの病歴、服用している薬などを確認し、検査を受ける利点と負担をご説明します。

そのうえで、患者さんと相談しながら、胃カメラを受けるかどうかを決めていきます。

怖いという気持ちがある方ほど、まずはその不安についてお話しいただければと思います。

最後に

胃カメラが好きだという方は、ほとんどいないと思います。

不安があって当然ですし、以前につらい経験をした方が「もう二度と受けたくない」と思うのも無理はありません。

だからこそ、私は患者さんの不安をきちんと伺い、丁寧に説明し、できる限り負担の少ない検査を行うことを大切にしています。

胃の症状が気になっている方、健康診断で異常を指摘された方、胃カメラを受けるべきか迷っている方は、まずはご相談ください。

検査を受けるかどうかも含めて、一緒に考えていきましょう。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆監修医師◆◆◆◆◆◆◆◆

こんのクリニック
院長 星野 剛

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