最近、眠れていますか?
みなさんこんにちは。こんのクリニックの星野です。
今日は、お悩みの方も多い、不眠症についてお話していきたいと思います。
外来でも多くの方が「毎晩なかなか眠れない」「寝てもすぐに起きてしまう」とご相談にいらっしゃいます。
実は、成人の30%以上が、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難など、いずれかの不眠症状を有し、6〜10%が不眠症(原発性不眠症、精神生理性不眠症、その他の二次性不眠症など)に罹患していると報告されています。1)
ところが不眠の定義は、不眠により昼間にも眠気を生じ活動に何らかの支障をきたした状態 とされており、昼間活動に支障をきたさなければ、不眠症とは言えないとされています。
また加齢とともに、睡眠時間は短くなり、中途覚醒時間は長くなるとされており、65歳以上の平均睡眠時間は6時間以下となっています。不眠を訴えている方の中で、適切な睡眠時間より長く寝ようとしている方がいらっしゃることも少なくありません。2)
つまり不眠の訴えは多いものの、実際は身体に必要以上寝ようとしており、必要以上の眠剤が処方されている可能性があります。
厚生労働省研究班の調査によれば、睡眠薬の処方率は、一般成人における3ヶ月処方率が4.8%に達しています。
必要以上の睡眠薬は、依存性、耐性形成(慣れてしまう、薬が効かなくなってしまう)、筋弛緩作用による転倒骨折、認知機能の悪化、呼吸抑制(呼吸が止まる)を引き起こすリスクがあります。3)
ではどうすればよいのでしょうか。
厚労省の研究報告では、まず内服薬の服用よりも、表1にお示しいたします通り生活指導を受けるように呼び掛けています。
表1

まずは、規則正しい生活をすることが大切です。
寝るためには、身体に「これから寝るぞ」ということを教えてあげなければいけません。実際寝るまでに、身体も準備が必要なのです。
寝る前にスマホやテレビを見たり、遅い時間の食事や入浴する事は避け、照明を落とし、日中過ごしているスペースとは別の隔離された空間で寝ることをお勧めします。
まずはこうした工夫を取り入れていただき改善を試み、なるべく眠剤を処方しないことが、医師の立場としては模範的な診療だと考えます。
しかし実際そのように理想的な生活をできる方が、どれだけいらっしゃるでしょうか。お仕事で帰宅が遅くなる方、遅くまでスマホで重要な連絡をしたり調べものをしなくてはならない方も、多くいらっしゃることでしょう。
患者様一人一人の生活スタイルに合わせ、臨機応変に対応した診療をしていけたらと思っております。
是非お気軽にご相談ください。
では今日はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
1)「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」2013
2)Ohayon, MM, et al:Meta-analysis of quantitative sleep parameters from childhood to old age in healthy individuals: developing normative sleep values across the human lifespan. Sleep, 27 :1255-1273,2004
3)木村勝智ら 不眠症 条件反射的な睡眠薬の処方と決別するには.逃げない内科診療, 272-273, 2022
表1 厚生労働省 精神疾患研究班委託費 「睡眠障害の診断治療ガイドラインの作成とその実証的研究班」 平成13年研究報告書より
