げっぷの症状ひょっとしてそれは・・。
みなさんこんにちは。こんのクリニックの星野です。
今日は内視鏡関連の話をしていきたいと思います。
みなさん最近、「げっぷが多い」とか「食事をたくさん摂ると胸やけする事が増えた」等の症状はありませんか?
その場合、逆流性食道炎があるかもしれません。胃と食道の境界部には、下部食道括約筋という筋肉があり、胃酸が食道に上がってこないようにせき止めています。ところがこの筋肉が緩むと、胃酸が上がってきて食道の粘膜を痛め、食道炎が起こると考えられています。これが逆流性食道炎です。
食道炎が放置されると、食道が胃の組織に置き換わってしまいます。この状態の食道をバレット食道と呼びます。

青矢印:バレット食道腺癌
バレット食道は潰瘍を形成し、癌が発生することがあります。これをバレット食道腺癌といいます。ただこれは大変希で、本邦では食道に発生する癌のうち、1.6%ほどといわれています。1)
なりやすい因子としては、肥満や喫煙、45歳以上、男性、野菜.果物の摂取低下、そしてバレット食道です。2)
早期癌(浅層粘膜筋板とよばれる深さより浅い部位)段階だと内視鏡で切除することが可能ですが、これより深いとすでに転移していることが多いため、早い段階で発見するべきです。内視鏡切除できた場合の再発率は0.5%とされています。3)
みなさんも、少しでも心配な症状があれば、ぜひ内視鏡検査を受けてみて下さい。また食道炎と言われたことがある方も、定期的な検査をおすすめします。
では今日はこの辺で失礼します。
1)清川博ら 若年者に認められたBarret食道腺癌 Progressive digestive endoscopy .vol82. No.1 2013
2)Cook MB, Kamangar F, Whiteman DC et al:Cigarette smoking and adenocarcinomas of the esophagus and esophagogastric junction:a pooled analysis from the in ternational BEACON consortium. J Natl Cancer Inst, 102:1344─1353,2010.
3)石原立ら 食道癌に対するESD/EMRガイドライン Gastroenterol endosc.2020;62:223-271
