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院長コラム

COLUMN

そのかゆみ、上手に対応できます

2025年12月29日

みなさんこんにちは。こんのクリニックの星野です。
今日は風の冷たさが身に応え、乾燥が気になるこの季節にちなんで、肌のケアについてお話していきたいと思います。

外来でもよくご相談いただく乾燥肌。「最近、体中がかゆいんだよ、いい薬だしてくれ!」
とお話される方が、多数いらっしゃいます。

かゆみの原因物質は、一般的によく知られるヒスタミンだけでなく、トリプターゼ,サブスタンスP,インターロイキン-1,-2,-6,-31,TSLP(thymic stromal lymphopoietin),TNF-α(tumor necrosis factor-α),活性酸素,ECP(eosinophilic cationic protein),MBP(major basic protein)などなど多数あります。したがって、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の塗り薬などは、ほとんど効果がないと言われています。

一方、かゆみの臨床的な原因としては、
①皮膚の乾燥に由来する場合
②何らかの基礎疾患(主として内臓異常)に伴う場合,表1
③服薬している薬剤が原因の場合,表2

 

 

 

 

 

の3つに大別されます。1)

③の場合、薬剤の変更や中止を考えます。
①だけでなく②の場合、多くはドライスキンが原因によるかゆみであることが多いとされ、そのかゆみには、保湿剤の外用が奏効することが多いと考えられています。2)

したがって、かゆみにいい薬!というのは多くの場合、実は単純な保湿剤ということになります。
保湿剤は、入浴後に塗ると効果的です。
またからだを洗う際、石鹸はよく泡立てて使い、ゴシゴシこすらないようにしましょう。大してからだがよごれていない場合は、石鹸で洗うことによる皮脂減少するのを防ぐため、石鹸を使わないのも良い方法です。

他に、サプリメント(栄養補助食品)を摂ることも、ある程度は効果がありますが、規則正しくバランスの良い食事を摂ることの方がはるかに大切です。
からだが健康でなければ保てませんので、睡眠不足やお酒の飲みすぎ、喫煙にも注意しましょう。

では今日はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

1)江畑俊哉:皮膚瘙痒症,玉置邦彦編:最新皮膚科学体系3,湿疹 痒疹 瘙痒症 紅皮症 蕁麻疹,東京,中山書店,2002,133―142.

2)皮膚瘙痒症診療ガイドライン2020 日皮会誌:130(7), 1589-1606,2020(令和2)

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